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発足にあたり

現在、米国には四千万人近くのスペイン語人口(全人口の約13%)があり、うち六割を占めるのがメキシコ系の人びとであると最新の統計ではのべています。チカーノとはそのメキシコ系人口にたいして名指される名称ですが、本会ではかれらの文化や社会を広く学習し、同時にメキシコや米国の文化や歴史、社会について、参加者が一緒に考えてゆくことを目的としていきます。

「研究会」とは称するものの、学会型のかた苦しい研究発表や討論ということではなく、ごく身近な話題から楽しく入ってゆき、巷にあふれる「異文化理解」とは異なる自由と平等の精神をもって、どなたでもまったく自由に発言し、話し合う場を提供することが本会の基本的なミッション(使命)であると考えています。

当面はチカーノをテーマとして出発しながら、将来は他の米国マイノリティやカリブの人びと、その文化や社会についても広く語り合うことができればよいでしょう。

特に会則、会費(懇親会などで実費負担の場合はあります)、会員規約などのルールは設けることなく、会員相互によって自発的かつ自立的に会を運営し、継続してゆく考えでおります。みなさまの積極的な参加、支援を心から期待するものです。

会長/東琢 磨(音楽評論家・東京外語大講師)
副会長/宮田 信(Music Camp, Inc.代表)
相談役/杉浦 勉(東京外語大教員)

●第七回例会
「新刊紹介&討議『シンコペーション ラティーノ/カリビアンの文化
実践』」
話者/原島康晴(編集者、エディマン主宰)・杉浦勉 ・ 東琢磨

日時/3月27日(木)午後6時
場所/東京外国語大学・研究講義棟110教室(一階)

すでにご存知のように、ラティーノは2001年の国勢調査により、米国で最大のマイノリティ集団である事実が判明し、その動向が最も注目されるところであり、一方、そのラティーノたちを生み出す母体でもあるカリビアンは、グローバルな文化を発信しつづける創造集団としてますます重要度を高めています。これらふたつのグループの文化実践に焦点をあてた、おそらく本邦最初の書物が出版されました。2001年から02年にかけて、全十回にわたって東京外国語大学で開催された公開講座、『たたかう文化たち』及び『きみ自身のスタイル』に参加した講師を中心として、十四名の執筆者による論考から構成された書物が、今回テーマとなる新刊です。
今回、本研究会ではこの本の製作・編集に直接かかわった者たちを中心として、本書の出版の意義、内容などに関する議論の場を設け、これからのラティーノ/カリビアンの文化をめぐって、ともに考えてみたいとの意図のもとに企画いたしました。ぜひこのテーマについて、この機会に自由かつのびやかに語り合いましょう!!

◎版元のご厚意により、当日会場にて本書の値引き販売をおこないます。

●第五回例会
「鶴見へ遠足しよう」

集合場所/JR鶴見駅東口改札口のあたり
日時/1月26日(日)午後一時

●第四回例会
「リズムについて
 〜アフリカ・中南米音楽にみられるリズムマジックを検証する〜」

概要/中南米音楽を特徴づける一つの要素である、リズムについて。アフリカン・ルーツを漂わせながらも、確実にアフリカとは異質な何かをまとっている中南米音楽。そのサンプルを実際に解体し、組み合わせ、その秘密を、直に感じてもらう。そして、そもそもリズムとは、律動とは何かという問いを底流させながら、アフリカと中南米の音楽の違いを検証する。

報告/竹田和也(東京外語大フランス語科)
日時/2002年10月10日(木)午後6時30分
場所/東京外語大・府中キャンパス 研究講義棟103教室

●第三回例会
「二大ダンス天国の対決!―環太平洋音楽都市リマ/ロスのダンス事情を探る」

太平洋をのぞむ南北アメリカの音楽の都、リマとロサンゼルスのダンス文化を現地撮影の映像を中心にして楽しみ、アメリカスの音楽/舞踊の豊かさ、奥深さを探求する

報告/東琢磨、宇佐美里圭(東京外語大4年・ペルー音楽専攻)
日時/2002年5月31日(金)午後6時
場所/東京外国語大学・府中キャンパス研究講義棟305教室





●第二回例会
「じぶんを理解するにはコミュニティを見つめよう──
 ケッツァル新作に聴くチカーノ音楽の現在と社会性をめぐって」

 聴き手が、チカーノ・コミュニティ=バリオの生活体験を共有していることを前提にして創られてきたチカーノたちの音楽は、そのハイブリディティ故にコミュニティのなかだけで閉塞する傾向にありました。それは、あらゆる音楽ジャンルが複雑に重層するメタ・ミュージックとしての特性だけでなく、ストリートのスラングからポリティックなアクシデントまでバリオの生活と密接に関与することをチカーノ音楽のアイデンテイティとして成立していたからです。しかし、絶えず流入するメキシコ人や政情不安から逃れてきた中米移民、また急増するアジア系移民など、近年急激にマルチエスニック化するロサンゼルスのなかで、若いチカーノたちは新しい隣人たちにも届くべき確信的な音楽を発するようになっています。

 その先陣にいるのが、先日来日したオゾマトリや新作を発表したケッツァルといったグループです。チカーノ研究会では、メンバーから届いたスペイン語のメッセージなどにも耳を傾けながら、チカーノ音楽を取り囲むバリオやメディアとの関係などについても検証してみます。

<使用予定音源>
OZOMATLI "EMBRACE THE CAOS"
QUETZAL "SING THE REAL"
QUETZAL "QUETZAL"
LOS ARACRANES "CHICANO PARK"
TIERRA "CITY NIGHT"など

ロスの多国籍音楽グループ、ケッツァルの新作アルバムを中心に、チカーノ音楽が抱える今の問題とその社会や文化の状況についてビデオ映像・音源を駆使して考察する

報告/宮田 信、霜村由美子(東京外語大修士・ケッツァル訳詞者)
日時/2002年4月22日(月)午後6時
場所/東京外国語大学・府中キャンパス研究講義棟226教室


●第一回例会
「チカーノって何だろう?──
 ビデオ映像に見るチカーノたちの歴史とたましい」

アメリカとメキシコの境界を生きぬくチカーノたちの存在をめぐって、映画ビデオを見ながらその地理的、経済的、精神的な背景をふたりの専門家がわかりやすく解説。

講師/宮田 信、霜村由美子(東京外語大院生・チカーナ文学専攻)
日時/2002年3月16日(土)午後3時
場所/東京外国語大学・府中キャンパス研究講義棟422番(総合文化研究所)